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2017年9月26日

産総研、透過電子顕微鏡画像から結晶欠陥を容易に検出する技術を開発

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)分析計測標準研究部門の非破壊計測研究グループと、東芝デバイス&ストレージ社は共同で、結晶の透過電子顕微鏡画像から欠陥を検出できる画像処理技術を開発した。この技術の詳細は2017年9月22日に国際会議 International Conference on Solid State Devices and Materials(SSDM2017)において発表されている。
 近年、半導体の性能・寿命を保証するため、半導体デバイスの製造時に発生する構造欠陥を精密に制御するプロセス技術の確立が求められている。原子レベルの欠陥は、従来、透過電子顕微鏡で撮影された高分解能原子配列画像を人が観察して評価していたが、高倍率にするほど視野が狭くなるため、広い領域で欠陥を評価するには非常に手間が掛かっていた。今回開発した技術は、結晶の透過電子顕微鏡画像の広い領域で欠陥を容易に検出できる画像処理技術である。この技術を次世代パワーデバイスとして期待されているGaN半導体の透過電子顕微鏡画像に適用したところ、画像全体で欠陥の一種である転位の分布を評価することができた。開発した技術は、半導体デバイスの製造プロセス改良への貢献が期待される。
 産総研は、これまで計測対象の規則的な模様を利用して、橋梁などの大型構造物の変形分布を計測する技術を開発してきた。この技術は規則的な模様の大きさに関係なく利用できるため、転位など原子配列を乱す構造欠陥の検出に適用することが考えられた。一方、半導体デバイスメーカーである東芝デバイス&ストレージは、半導体の製造プロセス改良のために、電子顕微鏡画像から半導体の転位分布を簡単に評価できる技術を模索していた。
 今回、産総研は東芝デバイス&ストレージから製造プロセス条件の異なるGaN半導体デバイスの透過電子顕微鏡画像の提供を受けて転位分布の評価に取り組んだ。
 今回開発した欠陥検出技術はモアレ縞を利用する。結晶の原子配列を規則的な格子と見なし、サンプリングモアレ法からモアレ縞を作成する。モアレ縞は結晶格子を拡大した模様に相当することから、格子に変形をもたらす転位が存在する箇所ではモアレ縞に不連続な変化が現れると考えられる。この考えを検証するために、シミュレーションを行った。
 シミュレーションで検証した画像処理技術をGaN半導体の透過電子顕微鏡画像に適用し、転位の検出を試みた。
 今回開発した技術により、広い領域の透過電子顕微鏡画像から転位分布を評価できる。この技術を用いて製造プロセスが転位分布に及ぼす影響を評価することで、転位の少ない高性能、長寿命の半導体デバイスの製造プロセスの確立が期待される。
 今後は開発した技術を利用して半導体デバイスの製造プロセス改善に繋げる取り組みを継続しながら、汎用の透過電子顕微鏡画像解析システムとして画像処理ツールの提供や解析技術の製品化を目指す。

URL=http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2017/pr20170921/pr20170921.html








 

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