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2017年7月25日

富士通、W帯向けGaN送信用パワーアンプで世界最高の出力密度を達成

 富士通と富士通研究所は2017年7月24日、W帯(75から110GHz)を用いた大容量の無線ネットワークに適用可能な、GaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)を利用した送信用の高出力増幅器(パワーアンプ)を開発した。
 今回、GaN-HEMTの内部抵抗および漏れ電流を低減させることにより、トランジスタ性能を向上させ、高出力かつ高効率なW帯送信用パワーアンプの開発に成功した。出力密度は、W帯において世界最高クラスである、ゲート幅1mmあたり4.5Wを実現し、消費電力についても従来比26%減の低消費電力化を確認した。
 今回、GaN-HEMTデバイスのソース電極・ドレイン電極の直下に、高い濃度で電子を発生させる柱状のGaN層(GaN Plug)を埋め込む製造プロセスを用い、ソース電極・ドレイン電極とGaN-HEMTデバイス間に電流が流れる際の抵抗を、安定して従来の10分の1に低減できるようにした(図1)。ソース電極から出た電子は、できるだけスムーズに2次元電子領域に運ぶ必要があるが、従来の構造では電子供給層がバリアとなり、ソース電極と2次元電子の間の電気抵抗が高くなっていた。今回の技術を適用することにより、大電流をトランジスタに流すことに成功した。
 漏れ電流の低減については、一般的に、電子走行層の下方に障壁層を配置することにより漏れ電流を低減することができるが、その場合2次元電子の量も減り、ドレイン電流の低下を招いてしまう。今回、InGaNからなる障壁層を電子走行層の下方に効果的に配置することにより、高いドレイン電流を維持したまま、動作時の迂回電子が低減し、漏れ電流を大幅に低減させることに成功した。
 今回のパワーアンプを2地点間の無線通信システムへ応用した場合、10kmの距離で毎秒10ギガビットの大容量通信を実現できる見込みとなる。
 同技術を長距離・大容量かつ光ファイバーよりも簡便に敷設できる無線通信が望まれる用途におけるパワーアンプの開発に幅広く適用し、災害時に光ファイバーが断線した際に早期に復旧できる手段や、イベント開催時に臨時的に設営する仮設通信インフラに適用できる高速無線通信システムなどの実現に向け、2020年度の実用化を目指す。

URL=http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/07/24.html


Fujitsu
図 GaN-HEMTデバイスの断面構造





 

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