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2017年2月8日

ルネサス、車載マイコン向けモータ制御専用回路技術を開発

 ルネサスエレクトロニクスは2017年2月7日、自動車のCO2排出規制強化に対応するエコカー実現に向けたモータ制御専用回路技術を開発したことを発表した。
 今回開発した技術は、次世代電気自動車(EV)向け車載マイコンに搭載する専用回路「IMTS (Intelligent Motor Timer System)」。EVモータ制御の必須処理であるフィールド指向制御演算を0.8μsという、同一周波数のCPUでソフトウェア実行する場合と比べ1/10以下の演算処理時間を可能にした。これにより、エネルギー効率に優れた次世代の高回転EVモータやこれを駆動する高速スイッチング性能を持つインバータシステムの実現に貢献する。また独自の回路構成により自動車のパワートレイン分野で求められる機能安全への対応も可能にした。
 次世代EV/HEV/PHEVに対応するECUには高機能かつ複雑な制御ソフトウェアを搭載する必要があり、ECUに搭載するマイコンにかかる演算処理負荷は増加の一途をたどっている。一方で車載用途のマイコンには高温環境下での高信頼性確保のため発熱の抑制を求められることから、マイコン内部のCPUコアをはじめとする回路の動作周波数は低く抑える必要があり、性能向上に課題があった。
 このような課題に対してルネサスは、マイコンにおけるモータ制御のうち、センサデータの取得やこれをもとにした制御値演算および出力といった高い応答性能が求められるが固定的な処理をIMTSとして専用回路化し、CPUとは独立して自律実行が可能な構成とすることで、モータ制御用マイコンのCPUの負荷を大きく軽減することを可能とした。これにより余裕の生まれたCPUの能力を先進的なモータ制御アルゴリズムに割り当てることが可能となり、次世代EV/HEV/PHEVのエネルギー効率向上に貢献する。
 このため、以下のような開発を進めている。
 モータ制御ではマイコン内部に搭載しているタイマ回路で管理される制御周期時間ごとに、モータ電流値・角度値の取得、次の制御周期の制御値を決定するためのフィールド指向制御演算、この制御値に従ったPWM出力といった一連の固定的な処理を行う必要があるが、この処理負荷は今後求められる複数モータ制御を同時に行った場合、当社40nm車載マイコンに搭載する320MHz動作CPUの最大約90%相当の負荷にも達する。今回開発したIMTSでは負荷の重い演算処理であるフィールド指向制御演算を専用回路化し、さらにモータ制御専用タイマ回路と密結合した構成とすることで、タイマ回路で管理される制御周期ごとに電流値・角度値の取得からPWM信号出力までの一連の処理を全てCPUとは独立して自律的に処理できるようにシステム化を行った。この構成を採用することで該当処理のために必要であったCPU負荷を全て削減することが可能となり、その分空いたCPU能力を活用してさらなるエネルギー効率向上のための先進的な制御アルゴリズムを適用したソフトウェアを搭載することが可能となった。IMTSによるフィールド指向制御演算処理は専用回路化したことにより0.8 μsという、CPUでソフトウェア実行する場合の1/10以下の演算処理時間を実現している。この性能は、次世代EVモータ制御で視野に入るSiCなど新材料のパワーデバイスを用いたインバータ制御の高速スイッチングで求められる性能に対しても十分な余裕を確保している。
 また、車載パワートレイン制御に必要な機能安全性を担保する回路技術を開発した、今回は二重化する等の比較的コストアップにつながる対策が一般的でした。これに対して今回はマイコンに搭載するCPUコアを二重化するロックステップ・デュアルコアシステムを用いてIMTS回路内部を定期的に監視する方式を採用することで、低コストを維持しながら高速制御と機能安全性の両立を可能にした。機能安全性を担保した場合CPUへの負荷が発生するが、実用的なケースを想定した場合2.4%という低いCPU負荷に抑えることが可能となっている。
 今回開発したIMTSではユーザプログラムで様々な要因による誤差誤差をリアルタイムに補正することが可能な構成を採用した。さらにIMTSは自律的にこれらの処理を行なうで、CPUに追加の負荷をかけることなく補正処理を適用することができるようになっている。補正処理を施したセンサ信号値でモータ制御演算を行うことで、より高精度な演算処理が可能となり、モータ運転時のエネルギー効率向上につなげることができる。
 今回同社では、これらの技術を適用した、40nmフラッシュメモリ内蔵マイコンを試作し、実際のモータ駆動システムに適用することにより実システムでの動作を確認している。
  堂社は今回の成果を、2017年2月5日から米国サンフランシスコで開催された「国際固体素子回路会議(ISSCC 20177)」にて、現地時間の2017年2月6日に発表した。

URL=https://www.renesas.com/ja-jp/about/press-center/news/2017/news20170207.html








 

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